僕の初Mac、Macintosh LC II (1992年)

2012-03-10


既に本体は廃棄し、当時の「形見」は外箱だけになってしまいました。

こんにちは、金子です。
名品コレクションという事で、昔のMacを中心に紹介するコーナーです。しかしコンピューターなどというものは常に「最新作が最高傑作」である事に変りがなく、当時の売価より中古市場で高値がつくものといえば、Appleで言えば、完組マイコンキットとして発売された、Apple Iぐらいしか思いつきません。コンピューターは生産中止になればただの「中古品」ですので、これは僕の個人的な昔話としてお読みください。

さて、今回紹介するのはMac LC IIです。LCとはLowcost Colorの略で、当時は高級路線であったカラー表示MacつまりMacintosh IIシリーズの廉価版という位置づけとして、1992年に発売されました。ここで当時を知らない若い世代の皆さんに注意して頂きたいのは、この「高級」というものが果たして幾らであったのか、です。1990年代初頭、当時Mac IIシリーズの最高級機であったMac IIfxが日本では190万円で売られていた、といえばこの「高級」が分かって頂けますでしょうか。
数万円で購入できる今どきのPCとは訳が違う、正真正銘の「高級品」なのです。これだけ値段が下がったものといえば、団塊世代の皆さんは卵の値段を思い浮かべるでしょうが、団塊ジュニアの僕はコンピューターの値段を思い浮かべます。ですから、僕の親が1パック200円以下の卵をスーパーマーケットで見つけて感慨深い目をするのと同様、僕は、あの当時、1セット400万円はしたNeXT Computer Systemの直系の子孫であるところのiPod touchなどが16800円で売られているのを見ては、何か奇跡を見ているような目になってしまうのです。

LC IIの詳しいスペックはWeb上のリソースを参照して頂くとして、LC IIは、初代LCとは違い、CPUにモトローラ(当時)の68030という立派な32bit CPUを搭載しておきながら、システムバスは16bitのままという初代LCの設計をそのまま引きずり、CPUが持つ性能を十分に発揮できなかった残念な機種となりました。このシステムバスの遅さというのが、MacがアーキテクチャをIntelベースにするまで呪いのようにAppleに付きまとい、僕などは例の「PCより速いベンチマーク」を眉唾だと思っていた原因になっていたのです。どのくらい遅いのかというと、メニューバーからメニューを選ぶと、複数あるメニューアイテムが1つ1つ描画されるのが見える、といえば、どのくらいの遅さかお分かりになりますか?

またRAMも4MBx3本で12MBまで拡張可能な筈が、10MBまでしか認識しないという廉価版ならではの残念な仕様となっておりました。これを2012年の言葉に置き換えるなら、Windows 7の32bit版ではPCのRAMを4GB搭載しても3GBちょっとまでしか認識しないのと同じです。

このLCシリーズはその後、LC IIIというアーキテクチャを一新した機種が翌年に発売され、更に最終モデルであるLC475などは後からPowerPC601を搭載できるという長寿命なモデルが発売され、LC IIを掴まされた僕は要するに貧乏くじを引かされたわけですが、LC IIIや475にロジックボードを交換する、という道もありました。21世紀には全くすたれた方法ですが、コンピューター自体が高価であった当時、新品を買い替えるより少ない値段でロジックボード(PC用語で言うところのマザーボード)をメーカーが「公式に改造」してくれるサービスがあったのです。他にもMac IIや同IIxがIIfxになったり、IIciがQuadra700になったりと、当時であってもこんな事をするのはApple以外にちょっと見当りませんでした。

僕などはこの機種で初めてMacに触れ、同時にMac OS(当時は漢字Talk6.0.7)という「Apple流のGUI作法」に触れたお陰で、GUI設計の美醜については一家言あるという生意気なティーンエイジャーであったのですが、そのせいでその後、大多数の地球人にとっての「初GUI」がWindowsであった為に、「このGUIはおかしいんじゃないか?」と理屈を話しては白い目で見られるという苦労を、まさかその後15年以上の長きに渡って背負わされる事になるとは思いもよりませんでした。

当時の売価は、割引して確か24万円、モニター込みで30万円コースです。コンピューター関連のハード・ソフト合わせて一体幾ら親に使わせたのか、計算するのも怖くなります。この時、お金を出してもらった親に対しては、自分がまっとうに働くようになってからは「息子への投資の配当金」を毎月支払っております。Macより前、8bit時代からコンピューターに触れていた自分は、その辺の同年代以降に(コンピューター関連の知識や経験で)負けてたまるかという自負と、「初GUI」がMacであったという「育ちの良さ」を武器に金を稼いでやろうという自分の原点をLC IIに見る思いがします。

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