Power Mac G4でカムバックを体感する(金子)

2012-04-06

こんにちは、金子です。そろそろ21世紀の話でも書きましょう。今回はPower Mac G4(Quick Silver)です。あ、ちなみに「名品コレクション」で僕が記事に取り上げたMacは全て自分がかつて持っていた機種に限り紹介しています。

Appleユーザー歴20年生以上の皆さんにとって1990年代前半、混迷を極める同社への望みはただ一つ「ジョブズ、カムバック!」だったのですけどその夢のまた夢が実現するのですから事実は小説より奇なり、と言う他ありません。そしてカムバックの手土産に持ってきたのは、Appleが頓挫した次世代OSに取って代わる「次」つまりはNEXTSTEP OSであり、今みなさんがこの記事をご覧になるために利用しているWorld Wide Webも、一番最初はNEXTSTEP上で開発されたのですから、当時そして今も最重要視されてきた「インターネットへの接続性」に、これ以上のものはありません。更にはiPhoneやiPadに搭載されているiOSも元を正せばMac OS X、更にはNEXTSTEPにたどり着くのですから、「次の次」も引っさげての衝撃的なカムバックを当時、興奮しながらWebや新聞で読んでいた僕は、何か奇跡を見ているような気分でした。大げさではなく自分は今、歴史の新しい瞬間を見たのだ、という感想は、これは単なる「信者」の戯言でない所は皆さん、それから15年ほど経ち、電車に乗ると老いも若きもiPhoneをいじっており、外国に旅行してもみんなiPhoneをいじっている、という21世紀のこの姿を見れば分かって頂けるかと。世界は変ったのです。それが良い事か悪い事かはまた別の問題ですが、少なくとも1996年以前の生まれで「あの事件」に歴史的瞬間を感じなかったあなたは鈍いとだけ言っておきます。

しかし「カムバック」を決定的に印象づけたのは2000年のMac OS Xプレビューリリースではなく、1998年のiMac(ボンダイブルー)の発売でしょう。あのデザインは決して僕の気に入るところではなかったのですけど、かといって1994年頃から続く、あの一連の、象の足のようなものが付いたデザインを堕落だと思っていた僕はiMacのデザインについて「欲しくはないけど斬新さは認める」と、何故か偉そうに思ったものでした。
それから衝撃的なキャンディーカラーの5色展開、フラワーパワー、ブルーダルメシアンと柄付きまで派手さを極めた後、次第にグラファイト要するに灰色となり、現在のアルミニウム全盛のデザインへと移行する過渡期にPower Mac G4は位置していました。長くなりましたがここからが本題です。

2001年、値段の高さと拡張性の低さなど複数の理由により、かねてより買おう買おうと僕が心に誓っていたPower Mac G4 Cubeが生産中止になってしまいました。それでは、なぜ僕は買わなかったのか?
お金が無かったのです。
だいたいモノというのは、買ってしまえばそれは「憧れ」から「現実」になり、捨ててしまえば何も記憶に残りません。しかし、買いたくても買えなかったモノの方が強烈に心に残るものです。
年末に働いて貯めたお金で翌年、購入したのはPower Mac G4、俗にQuick Silverと呼ばれるモデルでした。
個人で使うにはタワー型筐体は場所を取りすぎ、そして夏場になると猛烈に煩い空冷ファンの音を聞くたびに、ああ、空冷ファンの付いていないG4 Cubeの方が…と思ったものです。
そんなPower Mac G4ですが、僕がはじめてMac OS Xに触れたのはこの機種でしたし、”Classic” Mac OSも起動できるところから、当時OS Xに移行できずにいた出版・デザイン業界からのニーズがあったのか中古市場で値崩れせず、高い下取り価格に幾らかを足して僕はiMac G5を購入したのでした。

その後のPower Mac G4は最後期型では”Mirrored Double Doors”と呼ばれる前面に鏡面加工が施され、更には吸気口として前面下部に複数の穴が開いているモデルがあったのですが、周囲からその姿を「鉄仮面」などと揶揄され、僕の気に入るデザインではありませんでした。自分の買った機種を贔屓目に見ても、やはりPower Mac G4はQuick Silverにとどめを刺すと今でも思っています。

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