最後の68系Macintosh、LC630(田部井)

2013-01-01

あけましておめでとうございます。始めまして田部井と申します。本当はLC630他の写真を撮影してからと思っていたのですが、それですといつになるか分からないので公開することにしました。

私とMacintoshの本格的な出会いは、1994年の平塚市博物館だったと記憶しております。IIci、ColorClassic、Centris650がありました。ここでハイパーカードの面白さにはまった僕はMacintoshが欲しくなったのですが、中々買えません。僕にも手の届きそうなLC475を眺めては、今の僕では買えないと残念な思いをする日々が続きました。

1995年の終わりか、1996年になると、Macintoshの普及版はLC475からLC630に移っており、僕にも買えるだけの資金がありました。ようやくMacintoshを手にしました。

LC630、コプロ無しの68LC040、33MHz、メモリオンボード4MB、拡張メモリスロット1、ここに公式には32MBまでしか挿せないとの事でしたが、64MBまで挿す事が可能でした。AppleTVビデオシステム拡張スロット、LCPDSスロット、通信スロットがありました。内臓ハードディスクインターフェイスは、SCSIではなくIDEでした。これが幸いして、安価な大容量IDEハードディスクに換装する事が可能でした。初期ハードディスクは250MB、350MB、500MBのものがあったと思います。時期により違うのですが、僕は350MBのものを買いました。CD-ROMドライブですが、ドライブ有りのモデルと無しのモデルがあり、僕は有のモデルを買いました。それでも本体だけなら10万円しませんでした。Appleとしては、殆ど儲けが無かったと思われますが、Macintoshが欲しくても中々買えなかった人には、とても有難い機種だったと思います。確実にMacユーザーを増やしたのではないでしょうか。購入したお店でキーボードはテックパーツのものを勧められます。少し高かったけれど中々気に入ったキーボードとなりました。これを調べる為ホームページを検索すると、何と、テックパーツ、今日(2012年11月30日)で解散という事らしいです。後に述べるインターウェアといい、テックパーツといい、残念な事です。

僕は早速、AppleTVビデオシステムではなくて、今はなきインターウェアのTVビデオシステムを購入しました。こちらの方が1万円位安かったと記憶しております。ビデオキャプチャをするのですが、ハードディスクの容量も足りなく、圧縮速度も遅いという事が解り、1GBの外付けハードディスクと、インターウェアPowerVIDEO630というハードウェア圧縮伸張ボードを買って、LCPDSスロットに挿します。ハードディスクは1GBでSamsungのものでしたが、とても高かったです。PowerVIDEO630もとても高価でした。PowerVIDEOは、MotionJPEGという形式で、ビデオをハードウェアで圧縮、伸張するものです。CPUが遅くても、こちらで処理するので問題無くなります。ボトルネックはハードディスクの速度となります。630用とNuBus用(Quadra840AV、Centris660AV用)とあったのですが、何故か630用の方がスペック的に上でした。通常LC630は640×480で32768色しか出ないのですが、PowerVIDEOがあると、その動画部分だけフルカラーになったと記憶しております。他に電源タップのお化けのようなPowerKeyというものも買いました。これがあると、曜日毎に決まった時間に起動し、決まった時間にシャットダウンするという事が出来ます。また、Macの電源を入れると、PowerKeyに繋いだ周辺機器の電源が入るという事も出来ます(こっちがメインか)。平塚市博物館でのパソコン展示では、このPowerKeyによる自動起動、自動シャットダウンがとても役に立ちました。平塚市博物館の特別展では何回かLC630を使った展示をさせてもらいました。

平塚市博物館で2000年初め、第1回「博物館まつり」という平塚市博物館に所属する会(行事)が発表する文化祭のような催しが開かれました。ここでビデオカメラで撮影した各会の模様を紹介するパソコン作品を展示する許可をもらい、僕も参加しました。そこで僕はLC630をパワーアップします。IDEのハードディスクを350MBから30GBにしました。LC630では、ハードディスクは32GBまでしか認識しませんので、30GBという容量が、無駄なく使える最大の容量となります。これに変えると、今までキャプチャでコマ落ちしていたのが、殆どコマ落ちしなくなりました。ビデオキャプチャ、1996年の時点では時期尚早で、2000年頃になってようやく、ハードウェア的に、ビデオキャプチャを快適に行えるようになったと思います。30GBの大容量にビデオを沢山詰め込んで、ハイパーカード作品に仕立て展示しました。CPUも68LC040からコプロ有りの68040に換装します。僕にはあまり関係なかったのですが、コプロが無いとPhotoshopで使えない効果等が出てきます。3Dソフトで使えないものもあったように記憶しております。メモリも64MBにして合計68MBとしました。通信スロットにもEthernetカードを挿し、Windowsマシンとデータのやりとりをしました。ヤノ電器のWinMounterというソフトを使いました。今では、簡単にWindowsマシンとファイルのやり取りが出来ますが、当時はソフトが必要でした。ここまでして意味があったのかと言われると、自己満足の部分も結構あったと思います。

2004年の第5回「博物館まつり」にLC630で参加して、その後はウインドウズマシンでのホームページによる展示に軸足を移してしまいました。LC630、256色ならば800×600も行けますが、PowerVIDEO630を利用する場合、確か640×480までしか駄目で、これがネックでした。またホームページ作成の方が、ハイパーカードで作品を作るより楽に出来ます。プログラミングもWin系のプログラマーをしていた関係からWindowsプログラムを作る方が手軽に出来ました。この時期になるとウインドウズマシンは、安い物はとても安く、それでも解像度は1024×768以上はあったと思うのでこちらにしました。今から思うと液晶ディスプレイのiMacが展示用にはおしゃれで良かったと思います。実際、Macintoshの最新機種を追いかけていない時に(済みません)、府中市美術館の展示で、液晶一体型のiMacを見て、こんなMacになったんだおしゃれで良いなと思いました。ただ資金の事を考えると難しかったと思います。

LC630、PowerMac8100等のPowerPC版Macが主力商品となってからも、68000版Macとして売られ続けました。最後の68系Macとなりました。僕はSharpのX68000を所有していて、68000のアセンブラも経験した事があり、68系のCPUには愛着がありました。8086のアセンブラも経験しましたが、比べると68000はとても美しいのです。そんな事から意地でLC630を使い続けました。いろいろ拡張したので愛着があったというのもあります。PowerVIDEOがあったので充分実用になったというのもあります。1994年から1996年辺りの話ですが、動画のエンコードにcinepackという、ファイルサイズが小さくなり、しかも綺麗という圧縮方式がありました。しかしエンコードに時間がかかります。確か20分程度の長さの動画を圧縮するのにQuadra840AVでも1日位、平気でかかっていました。PowerVIDEOのMotionJPEGなら、リアルタイムに圧縮します。ファイルサイズはcinepackより大きくなるのですが、とても綺麗です。エンコード時間の節約になりました。

LC630、ボタン電池が無くなり起動しなくなりました。新しいボタン電池も買ってあるのですが、結局入れ替えていません。これを機に実家に行った時にLC630を復活させて見ようかと思っています。久しぶりに『LuLu』が見たいな。

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