円安で気付かされたApple製品=高級品、の図式

2013-08-04

こんにちは、金子です。
昨今の円安を受けて、iPodやMacなどのApple製品が日本において値上げされたのは皆さんの記憶に新しい事と思います。

この20年強の日本におけるApple製品の値段の変遷を記憶を頼りに振り返ってみると、1990年代初頭、「1000ドルMac」と言われたMacintosh Classicの、その日本での小売価格がたしか19万8千円であったと記憶していますので、これは1ドル=200円の換算になります。その後のモデルも実際の為替レートとは掛け離れた値段が続き、またソフトウェアも日本語化などローカライズ費用のせいなのか、バージョン番号の末尾にJ(JapaneseのJ)が付く、例えばPhotoshop 2.0Jなどはその売価が15万5千円でしたか、これもアメリカでは1000ドル未満であったような気がします。依然、僕にとってApple製品は高級品であったのです。

現在の値段は値上げされたとはいえ20年前と比べるなら信じられないくらい安い値段になっているにもかかわらず、1ドル=80円弱の為替レートを経験してしまった自分にとっては、iPod touchが最下位モデルでも2万円を超えるというのは購入を踏みとどまらせるのに十分でした。今回の円安を受けて、Apple製品=高級品、という、長らく忘れていた記憶の扉が蘇ったのです。

去年、タイへ旅行した際、バンコク市内のスーパーマーケットに入りました。そこには日本製の日焼け止めクリームが売っていたのですが、売価299バーツ。日焼け止めクリームを持参するのを忘れて、現地で買うつもりでいた僕ですが、当時の1バーツ=2.5円の為替レートで考えても、え?こんなに高いの?としり込みして購入を躊躇しました。たかが日焼け止めクリームがここまで高い事に驚愕したというより、タイにいると、日本で自分はいかに高品質なモノを安価に買っていたのか、という事に気付かされる事ばかりでそれは世界の通貨に対して強い円で給料を貰えるという自分の実力ではない単なる生まれる国の偶然によって優遇されていただけであることを、ハッと気付かされるのです。

また、バンコク、BTSサヤーム駅近くにあるデパートの、そのガラス張りの中で輝いていたMacBook Airは、僕が日本にいて「Air再整備品の11″ 2GBのやつ、安いから買っちゃおうかなあ」と必要もないのに惰性で物欲を刺激された結果欲しがるような代物とは全く別の「シルバーに輝ける高級品」であり、それは1990年代初頭、僕がキヤノン・ゼロワンショップで見ていたMac Quadra 900かIIfxの日本での小売価格が190万円になろうかという、NeXT Computer Systemの、小売価格が400万円になろうかという、あの「高級品」に対して送っていた視線と同じであると認識して、タイのデパートは入り口に空港のようなセキュリティチェックがあり、要するに貧乏人は門前払いされるのだから僕のような貧乏人が来るところではない、と、地下のフードコートでカオマンガイを食べて退散したのでした。

20年前の僕に「Macの一番安いモデルが5万円程度だよ」と言えば驚くでしょうし、1年前の僕に「iPod touchの16800円のモデルが無くなっちゃったよ!」と言っても驚くでしょう。一度安い値段に慣れてしまうと、それ以上の値上げには耐えられないものです。
僕のような低所得者には厳しい近未来が待っていることでしょう。

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