酒匂川、相模川、三浦半島で見つけた石のコレクションです。
人間の生涯の時間(80年)より遥かに長い時間(万年)をかけて石は作られる。
解説文章は『石ころのふるさと』平塚市博物館発行(1998.3月発行)(相模川、酒匂川編)からもってきました。
10.デイサイト質細粒凝灰岩,sg01
ディサイト質細粒凝灰岩 Dacitic fine-grained tuff ,sg01
青緑色の緻密の岩石で粒子はほとんど見えません。貝殻状の断口を示し、ガラス質であることがわかります。ディサイト質の岩石は青緑色が特徴で、顕徴鏡的には石英や角閃石が含まれています。ディサイトに類似しますが、斑晶が全くないことで区別できます。玉川或にはこのディサイト質凝灰岩を良く見ることができます。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo056

11.カンラン石安山岩,sg02
カンラン石玄武岩 Olivine andesite ,sg02
青黒色の斑状の岩石で、斑晶と石基の区別が明瞭です。黄緑がかったカンラン石斑晶を多量に含んでいます。白色の斜長石と黒色の輝石も認められます。玄武岩溶岩は、丹沢層群の中でも下部の地層に多く含まれていることが明らかになっており、中津川支流の早戸川上流でよく認められます。一部は彬伏溶岩になっています(photo38,39,92参)『石ころのふるさと』平塚市博物館photo034

12.溶岩の玄武岩,sg03
玄武岩 Lava basalt ,sg03
ガス成分に富む多孔質な玄武岩溶岩で、酸化して褐色を呈しています。気泡は比較的細かいものが多くみられます。多孔質な部分は溶岩流の上部や下部に多くみられます。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo017

13.含沸石玄武岩,sg04
含沸石玄武岩 Zeolitic basalt ,sg04
大粒の丸い白色粒子を含んでいます。白色粒子は溶岩の気泡を埋めた沸石です。こうした組織を杏仁状(キョウニンジョウ)といいます。よくみると細かな白色粒子は角のある細かな結晶で斜長石であることがわかります。岩石全体は暗青灰色をし、斑晶と石基が区別できます。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo037

14.角閃石石英閃緑岩,sg05
角閃石石英閃緑岩 Hornblende quartz diorite ,sg05
ゴマ塩状の粗粒の結晶からなる岩石です。全岩粗い結晶からなり(完品質という)、地下深所でマグマがゆっくり結晶したことを示しています。こうした岩石は花崗岩の仲間ですが、丹沢のこの種の岩石はカリ長石を含んでいません。従来は石英閃緑岩と一括されてきましたが、厳密な分類ではカリ長石をほとんど含まず、石英を少量しか含まない石英閃緑岩と、カリ長石をほとんど含まず、石英を20%以上含むトーナル岩とに区分されます。白色の鉱物のうち、白濁したものが斜長石、やや透明のものが石英ですが、この岩石では石英は10%程度しか含まれません。黒色の鉱物は角閃石で、黒雲母はほとんど見られません。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo045

15.細米少岩(堆積岩),sg06
細米少岩「足柄層群」Fine-grained granite (sedimentary rock) ,sg06
ざらついた感じのある褐色の岩石で、細かな砂粒からなています。小仏山地や丹沢山地の岩石と比べて堆積時期が新しいため軟らかく、まだ硬い岩石とはいえません。従って水の侵食に弱く、下流では急激に小さくなってしまい、分布地域周辺でしか見ることができません。大磯海岸に分布する大磯層や、江ノ島以西の海岸に分布する三浦層群なども同様の硬さの岩石です。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo105

16.石英 ,sg07
石英 Quartz ,sg07
花崗岩などの斑晶としてみられる場合は無色透明ですが、石英脈として見られるときは、白色塊状の産状を示します。緻密で、極めて硬く、劈開がないのが特徴です。良く知られた水晶は石英の低温型の自形結晶です。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo008

17.輝石安山岩 ,sg08
輝石安山岩 Pyroxene andesite ,sg08
赤褐色を帯びた輝石安山岩で、白い斜長石の斑晶が目につきます。赤色を帯びているのは溶岩が陸上で噴出し酸化したことを示していると考えられ、丹沢の海底火山が海面上に姿を出・していたことを物語っていると推定されています。火山角礫岩などの礫として良く見られます。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo032

18.角閃石石英閃緑岩,sg09
角閃石石英閃緑岩 Hornblende quartz diorite ,sg09
ゴマ塩状の粗粒の結晶からなる岩石です。全岩粗い結晶からなり(完品質という)、地下深所でマグマがゆっくり結晶したことを示しています。こうした岩石は花崗岩の仲間ですが、丹沢のこの種の岩石はカリ長石を含んでいません。従来は石英閃緑岩と一括されてきましたが、厳密な分類ではカリ長石をほとんど含まず、石英を少量しか含まない石英閃緑岩と、カリ長石をほとんど含まず、石英を20%以上含むトーナル岩とに区分されます。白色の鉱物のうち、白濁したものが斜長石、やや透明のものが石英ですが、この岩石では石英は10%程度しか含まれません。黒色の鉱物は角閃石で、黒雲母はほとんど見られません。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo045

19.安山岩質火山疑灰岩,sg10
安山岩質火山疑灰岩 Andesitic volcanic tuff ,sg10
典型的な火山礫凝灰岩です。赤紫色の角ばった礫は火山礫で、多量に含まれ目立ちます。この火山礫は細かな白色の斜長石が含まれ、安山岩礫です。赤色を帯びているのは陸上で酸化されたことを示唆し、火山が海面に姿を表していたことを物語るのではないかと考えられています。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo067

20.含沸石玄武岩,sg11
含沸石玄武岩 Zeolitic basalt ,sg11
大粒の丸い白色粒子を含んでいます。白色粒子は溶岩の気泡を埋めた沸石です。こうした組織を杏仁状(キョウニンジョウ)といいます。よくみると細かな白色粒子は角のある細かな結晶で斜長石であることがわかります。岩石全体は暗青灰色をし、斑晶と石基が区別できます。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo037

21.ディサイト質細粒凝灰岩,sg12
ディサイト質細粒凝灰岩 Decitic fine-grained tuff ,sg12
淡緑色の非常に緻密な岩石です。砂粒や結晶は全く見えず、細粒の火山灰が堆積したものです。貝殻状の断口を示すことから、この岩石はカラス質細粒凝灰岩であることがわかります。ガラス質というのは結晶や溶岩片が少なく、ほとんどが火山ガラスからできているものです。結晶の多いものを結晶質(photo石2参照)、岩片の多いものを石質といいます。淡緑色の色調はディサイト質(石英安山岩質)であることを示します。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo055

22.玄武岩-沸石の脈,sg13
玄武岩 Basalt-zeolite vein ,sg13
青黒色の比較的細粒の岩石で、黒色の輝石の斑晶が目につきます。良くみると白色の斜長石の斑晶も認められます。中央に細い沸石の脈がみられます。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo035

23.ティサイト質細粒凝灰岩,sg14
ティサイト質細粒凝灰岩 Tithic fine-grained tuff ,sg14
淡緑色の非常に緻密な岩石です。砂粒や結晶は全く見えず、細粒の火山灰が堆積したものです。貝殻状の断口を示すことから、この岩石はカラス質細粒凝灰岩であることがわかります。ガラス質というのは結晶や溶岩片が少なく、ほとんどが火山ガラスからできているものです。結晶の多いものを結晶質(photo石2参照)、岩片の多いものを石質といいます。淡緑色の色調はディサイト質(石英安山岩質)であることを示します。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo055

25.安山岩質火山疑灰岩,sg15
安山岩質火山疑灰岩 Andesitic volcanic tuff ,sg15
典型的な火山礫凝灰岩です。赤紫色の角ばった礫は火山礫で、多量に含まれ目立ちます。この火山礫は細かな白色の斜長石が含まれ、安山岩礫です。赤色を帯びているのは陸上で酸化されたことを示唆し、火山が海面に姿を表していたことを物語るのではないかと考えられています。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo067

26.安山岩質火山疑灰岩,sg16
安山岩質火山疑灰岩 Andesitic volcanic tuff ,sg16
典型的な火山礫凝灰岩です。赤紫色の角ばった礫は火山礫で、多量に含まれ目立ちます。この火山礫は細かな白色の斜長石が含まれ、安山岩礫です。赤色を帯びているのは陸上で酸化されたことを示唆し、火山が海面に姿を表していたことを物語るのではないかと考えられています。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo067

27.石英脈,sg17
石英脈「母岩:緑色片岩」 Quartz vein ,sg17
白色脈には石英脈、沸石脈、方解石脈があります。石英は後二者に比べて硬度が高いので、ナイフで傷をつけることができません。鉱物に傷をつけてみると石英かどうか調べることができます。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo007

28.安山岩質火山疑灰岩,sg18
7安山岩質火山疑灰岩 Andesitic volcanic tuff ,sg18
典型的な火山礫凝灰岩です。赤紫色の角ばった礫は火山礫で、多量に含まれ目立ちます。この火山礫は細かな白色の斜長石が含まれ、安山岩礫です。赤色を帯びているのは陸上で酸化されたことを示唆し、火山が海面に姿を表していたことを物語るのではないかと考えられています。 『石ころのふるさと』平塚市博物館photo06

29.ティサイト質細粒凝灰岩,sg19
ディサイト質細粒凝灰岩 Tithic fine-grained tuff ,sg19
赤焦げ茶の非常に緻密な岩石です。砂粒や結晶は全く見えず、細粒の火山灰が堆積したものです。貝殻状の断口を示すことから、この岩石はカラス質細粒凝灰岩であることがわかります。ガラス質というのは結晶や溶岩片が少なく、ほとんどが火山ガラスからできているものです。結晶の多いものを結晶質(photo石2参照)、岩片の多いものを石質といいます。淡緑色の色調はディサイト質(石英安山岩質)であることを示します。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo055

30.ディサイト質細粒凝灰岩,sg20
ディサイト質細粒凝灰岩 Decitic fine-grained tuff ,sg20
淡緑色の非常に緻密な岩石です。砂粒や結晶は全く見えず、細粒の火山灰が堆積したものです。貝殻状の断口を示すことから、この岩石はカラス質細粒凝灰岩であることがわかります。ガラス質というのは結晶や溶岩片が少なく、ほとんどが火山ガラスからできているものです。結晶の多いものを結晶質(photo石2参照)、岩片の多いものを石質といいます。淡緑色の色調はディサイト質(石英安山岩質)であることを示します。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo055

デイサイト(英語: dacite)
火成岩の一種。深成岩の花崗閃緑岩に対応する。過去には「石英安山岩」と呼ばれていたが、成分的にデイサイトであっても石英結晶を含まないものもあり、
31.石英脈「母岩:緑色片岩」,sg21
石英脈「母岩:緑色片岩」Quartz veinf ,sg21
白色脈には石英脈、沸石脈、方解石脈があります。石英は後二者に比べて硬度が高いので、ナイフで傷をつけることができません。鉱物に傷をつけてみると石英かどうか調べることができます。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo007

32.輝石安山岩,sg22
輝石安山岩 Pyroxene andesitef ,sg22
赤褐色を帯びた輝石安山岩で、白い斜長石の斑晶が目につきます。赤色を帯びているのは溶岩が陸上で噴出し酸化したことを示していると考えられ、丹沢の海底火山が海面上に姿を出・していたことを物語っていると推定されています。火山角礫岩などの礫として良く見られます。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo032

33.輝石安山岩,sg23
輝石安山岩 Pyroxene andesitef ,sg23
赤褐色を帯びた輝石安山岩で、白い斜長石の斑晶が目につきます。赤色を帯びているのは溶岩が陸上で噴出し酸化したことを示していると考えられ、丹沢の海底火山が海面上に姿を出・していたことを物語っていると推定されています。火山角礫岩などの礫として良く見られます。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo032

35.江ノ島の砂sand06江ノ島の砂1 noshima sand
通常、陸地は花崗岩が多いので、その風化ブツの砂浜も白い。
西日本の山は花崗岩が多いの砂浜はみな白から、酸化鉄が混じった黄色です。
一方、関東は箱根火山と富士火山で黒い玄武岩が多いので砂浜は黒い。
透明=石英
白濁=長石
黒=輝石、黒雲母
粒径は100〜300μm

43.グリーンタフ-緑色凝,sg27v-グリーンタフ-緑色凝灰岩-厚木
ティサイト質細粒凝灰岩 Tithonous fine-grained tufff ,sg27v
淡緑色の非常に緻密な岩石です。砂粒や結晶は全く見えず、細粒の火山灰が堆積したものです。貝殻状の断口を示すことから、この岩石はカラス質細粒凝灰岩であることがわかります。ガラス質というのは結晶や溶岩片が少なく、ほとんどが火山ガラスからできているものです。結晶の多いものを結晶質(photo石2参照)、岩片の多いものを石質といいます。淡緑色の色調はディサイト質(石英安山岩質)であることを示します。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo055

44.細米少岩-堆積岩,,sg28v-細米少岩-堆積岩-厚木
細米少岩「足柄層群」 」Fine grain rock – Sedimentary rockf ,sg28v
ざらついた感じのある褐色の岩石で、細かな砂粒からなています。小仏山地や丹沢山地の岩石と比べて堆積時期が新しいため軟らかく、まだ硬い岩石とはいえません。従って水の侵食に弱く、下流では急激に小さくなってしまい、分布地域周辺でしか見ることができません。大磯海岸に分布する大磯層や、江ノ島以西の海岸に分布する三浦層群なども同様の硬さの岩石です。『石ころのふるさと』平塚市博物館

45.含沸石安山岩,,sg29v-含沸石安山岩-厚木
含沸石安山岩 Boilite andesitef ,sg29v
大粒の丸い白色粒子を含んでいます。白色粒子は溶岩の気泡を埋めた沸石です。こうした組織を杏仁状(キョウニンジョウ)といいます。よくみると細かな白色粒子は角のある細かな結晶で斜長石であることがわかります。岩石全体は暗青灰色をし、斑晶と石基が区別できます。『石ころのふるさと』平塚市博物館

46.角閃石石英閃緑岩,,sg30v-角閃石石英閃緑岩-厚木
photo045角閃石石英閃緑岩 Hornblende Quartz Dioritef ,sg30v
ゴマ塩状の粗粒の結晶からなる岩石です。全岩粗い結晶からなり(完品質という)、地下深所でマグマがゆっくり結晶したことを示しています。こうした岩石は花崗岩の仲間ですが、丹沢のこの種の岩石はカリ長石を含んでいません。従来は石英閃緑岩と一括されてきましたが、厳密な分類ではカリ長石をほとんど含まず、石英を少量しか含まない石英閃緑岩と、カリ長石をほとんど含まず、石英を20%以上含むトーナル岩とに区分されます。白色の鉱物のうち、白濁したものが斜長石、やや透明のものが石英ですが、この岩石では石英は10%程度しか含まれません。黒色の鉱物は角閃石で、黒雲母はほとんど見られません。『石ころのふるさと』平塚市博物館

閃緑岩(せんりょくがん、英語: diorite)
深成岩のうち、主成分である無色鉱物が斜長石で、輝石、角閃石などの有色鉱物を比較的多く含む(約30%)ものを指す。火山岩の安山岩に対応する。 花崗岩より黒っぽいが、斑れい岩ほどは黒くはない
47.石英,,sg31v-石英-厚木
石英 quartzf ,sg2
花崗岩などの斑晶としてみられる場合は無色透明ですが、石英脈として見られるときは、白色塊状の産状を示します。緻密で、極めて硬く、劈開がないのが特徴です。良く知られた水晶は石英の低温型の自形結晶です。『石ころのふるさと』平塚市博物館photo008

石英(せきえい、独: Quarz、英: quartz、クォーツ、クオーツ)
二酸化ケイ素 (SiO₂) が結晶してできた鉱物。六角柱状のきれいな自形結晶をなすことが多い。中でも特に無色透明なものを水晶(すいしょう、独: Bergkristall、英: rock crystal、ロッククリスタル モース硬度7